倦怠感
倦怠感(だるさ)
内科専門医が解説
「休んでも疲れが取れない」「体が重くて動けない」——その倦怠感は、ただの過労ではなく病気のサインかもしれません。
内科疾患から心の問題まで、原因は多岐にわたります。「たかが疲れ」と放置せず、まずはご相談ください。
- 専門医の原因究明
- 適切な治療・処方
- 重大疾患の除外
- 生活・メンタルケア
🦠 倦怠感とは?
倦怠感とは、「体を動かす気力が湧かない」「少し動いただけで極端に疲れる」といった、全身のエネルギーが枯渇したような状態です。
十分な睡眠や休息をとっても回復しない「だるさ」は注意が必要です。内科を受診される方の約5人に1人がこの症状で悩んでいると言われています。
📊 期間による分類
風邪やストレスが主な原因
内科的な病気が潜む可能性
複数の原因が絡み合う
💡 ポイント
「いくら休んでも回復しないだるさ」は、体のどこかに異常があるサインです。自己判断で放置せず、内科で原因を調べることが大切です。
🤒 原因と注意すべき症状
だるさの原因は大きく「体の病気」「心の問題」「薬・生活習慣」の3つに分かれます。当院では診察と検査で、隠れた病気がないかをしっかり確認します。
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😞 心の問題
心への過度な負荷が、体の症状として現れるケースです。
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😔 うつ病
休んでも全く回復しない・何をしても楽しくない・食欲がない
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😰 不安障害
常に強い不安や緊張・動悸・息苦しさを伴う
💡 大切なこと
「ただの疲れ」か「心の病気」かを自分で判断するのは難しいものです。まずは内科で体の異常を除外することが鉄則です。
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💊 薬・生活習慣
普段の生活やお薬が、だるさの原因になっていることがあります。
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💊 お薬の副作用
睡眠薬・抗不安薬・血圧の薬・古いアレルギー薬など
-
🍺 過度な飲酒
睡眠の質を下げ、慢性的なだるさにつながる
🚨 危険なサイン
以下の症状がだるさと一緒に現れている場合は、感染症・がん・心不全など重大な病気の可能性があります。早急に受診してください。
- 🌡️ 微熱や寝汗が何日も続く
- ⚖️ 理由なく急に体重が減った
- 💓 安静時の息切れ・動悸
- 🦶 足や体のむくみ
- 😣 関節が赤く腫れて強い痛みがある
- 😞 気分がひどく落ち込み、眠れない
🏥 診療の流れ
👨⚕️ 問診・診察
いつからだるいのか、睡眠はとれているか、気になる症状はないかなど、生活背景を丁寧にお聞きします。全身をむやみに検査するのではなく、お話を深く聞くことが原因特定の第一歩です。
🔬 検査
問診をもとに、必要最小限で的確な検査をご提案します。血液検査で貧血・甲状腺・肝臓・腎臓などの機能を幅広くチェックします。
📋 診断
検査結果と症状を総合的に判断し、だるさの原因となる病気が隠れていないかを診断します。
💊 治療・フォロー
原因に応じた治療を開始します。検査で異常が見つからなくてもそこで終わりにはしません。生活習慣の改善や必要なケアをご提案し、回復を一緒に目指します。
🔬 検査と診断
だるさを訴える患者さんの約3分の2は、適切な検査で原因を特定できると報告されています。当院では患者さんのご負担を減らすため、問診に基づいた的確な検査を行います。
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🧪 基本的な血液検査
だるさの原因を絞り込む最も基本的な検査です。1回の採血で多くの病気を同時にチェックできます。
- 🩸 貧血:赤血球数・ヘモグロビン・鉄・フェリチン
- 🦋 甲状腺:TSH・FT4で機能低下/亢進を確認
- 🔬 肝臓・腎臓:AST/ALT・クレアチニンなど臓器機能
- 📊 血糖・電解質:糖尿病やミネラルバランスの異常
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📸 画像検査
咳・息切れ・胸痛などの症状がある場合に行います。
- 🫁 胸部レントゲン:肺炎・心不全・胸水の有無を確認
- ❤️ 心電図:不整脈や心臓の負担をチェック
※症状に応じて必要な検査のみ行います。全員に実施するわけではありません。
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🛡️ がん検診
年齢・性別に応じた定期検診の受診状況を確認し、見つかっていないがんのリスクを除外します。
- 🔬 胃カメラ・大腸カメラ:消化器がんの早期発見に最も有効
- 📋 がん検診歴の確認:未受診の検診があれば積極的にご提案
💊 治療・アプローチ
だるさの治療は、「原因となる病気があるか、ないか」で方向性が分かれます。
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🤝 原因不明の場合
「異常はありません。気のせいです」で終わらせることはありません。以下の方法を組み合わせてサポートします。
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📅 定期フォローアップ
短い間隔で通院し、体調の変化を見守りながら回復を目指します
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💊 お薬の調整
気分の落ち込みや不眠がある場合、相談の上で気力を回復させるお薬を一時的に試すことも
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🏃 運動療法
無理のない範囲で少しずつ体を動かし、体力を回復させていきます
🛡️ 日常生活の工夫
「最近疲れやすいな」と感じたとき、ご自宅でできる生活のケアです。
毎日同じ時間に就寝・起床。スマホ・寝酒は避ける
1日10分、疲れない程度の散歩やストレッチ
趣味やリラックスの時間を意識的に確保
鉄分・ビタミンを意識してバランスよく
⚠️ 注意
慢性疲労症候群(ME/CFS)など一部の疾患では、無理な運動が極度な悪化(労作後倦怠感)を招くことがあります。自己判断での無理な運動は避け、まずは医師にご相談ください。
🩺 慢性化を防ぐために
長引く「だるさ」は、放置すると日常生活や仕事に大きな支障をきたします。とくに「休んでも回復しない」と感じた場合は、体に何らかのトラブルが起きているサインです。
当院では内科専門医の丁寧な問診と検査で、その「だるさ」の原因を多角的に調べます。検査で特定の病気が見つからなかった場合でも、「気のせいだ」と片付けず、お一人おひとりの生活に寄り添いながら回復への道のりを一緒に探していきます。
何か気になる症状があれば、池尻大橋から徒歩3分の当院へ、いつでもお気軽にご相談ください。
❓ よくあるご質問
「心の問題(不安やストレス)」「長期間の睡眠不足」「お薬の副作用」などは、一般的な血液検査では分かりません。また、まだ診断基準を満たさないごく初期の不調である可能性もあります。原因不明でも定期的に診察を続け、体調の変化を追っていくことが大切です。
ただの過労であれば、十分な睡眠と休養で回復できます。しかしうつ病が隠れている場合、「休んでも全く回復しない」「何をしても楽しくない」「食欲がない」といった症状が強く現れます。自己判断せず、まず内科で体の異常を除外することが鉄則です。
まずは「内科」を受診されることをお勧めします。貧血・甲状腺異常・感染症・心臓の病気など、見逃してはいけない原因を血液検査や問診で広く確認できるからです。心に大きな原因があると考えられる場合は、心療内科へ適切にご紹介いたします。
「特発性慢性疲労」という診断になりますが、そのまま放置することはありません。短い間隔で通院していただき、生活習慣のアドバイスや必要に応じたお薬の調整を行い、一緒に回復への糸口を探ります。
問診・血液検査・レントゲンなどの基本検査はすべて健康保険が適用されます。初診の場合、3割負担で3,000〜5,000円程度が目安です。基本検査はその日のうちに終わり、結果も後日ご説明しますのでご安心ください。
まったく動かないと筋肉が落ちて、かえって疲れやすい体になってしまうことがあります。ただし無理な運動は逆効果です。「疲れない程度」の軽い散歩やストレッチから始め、徐々に体を慣らしていくのが理想的です。
参考文献
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- Fukuda K, et al. The chronic fatigue syndrome: a comprehensive approach to its definition and study. Ann Intern Med 1994; 121(12):953-959.
✍️ この記事を書いた人
古畑 司(ふるはた つかさ)
保有資格