大腸ポリープの入院治療の解説

大腸ポリープの内視鏡的切除は、比較的安全な処置ですが、約1〜2%程度、後出血や穿孔といった合併症が起こります。

大腸ポリープ切除の合併症 | 古畑病院

🏥 入院をお勧めするケース

以下の場合、合併症のリスクが高くなるため、有事に迅速に対応できるように2泊3日の入院をお勧めしています。

  • 10mm以上(特に20mmを超える)の大きなポリープ
  • 抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を服用中の患者さん

⚠️ 内視鏡治療の主な合併症

  • 後出血:治療後数時間から14日(特に48時間以内)に、切除した傷口から出血することがあります。
  • 穿孔(せんこう):腸の壁に穴が開くことです。治療中や治療後に発生することがあります。
大腸ポリープ切除 治療スケジュール | 古畑病院

📅 治療スケジュール

入院日の様子
DAY 1

🏥 入院日

  • 午後:15時頃入院
  • 夕食:消化の良い検査食をお召し上がりいただきます
  • 夜:翌日の検査・治療に備え、下剤(ピコスルファート)を内服します
内視鏡治療の様子
DAY 2

🔬 内視鏡治療日

  • 朝:6時頃 腸管洗浄剤を内服し、腸の中をきれいにします
  • 午後:内視鏡室へ移動します。時間は前後します
  • 治療後:病室へ戻り、ベッド上で安静にしていただきます
  • 夕方:医師の許可が出たら、水分摂取や食事を開始します。術後の状態(腹痛、出血、発熱の有無)を慎重に観察します
退院の様子
DAY 3

🚶 退院

  • 午前:出血や腹痛、発熱などの異常がなければ、退院となります

⚠️ 治療後の注意点

⚠️ ポリープ切除後にすぐ連絡すべき症状

以下の症状が現れた場合は、合併症(出血や穿孔)の可能性があります。めまいや冷や汗などを伴う場合も危険です。時間外・夜間であっても、直ちに当院までご連絡ください。

  • 持続する強い腹痛
  • 血便(真っ赤な血、黒い便)
  • 発熱(38度以上)

📋 退院後の生活について

治療後の腸は、切除した部分が「傷」になっている状態で、完治するのに1〜2ヶ月程度かかります。合併症を防ぐため、退院後約1〜2週間は以下の点にご注意ください。

🍽️ 注意事項

  • 食事:消化の良いものを選び、アルコール、香辛料などの刺激物は避けてください
  • 運動:腹圧のかかる激しい運動、重いものを持つ作業は控えてください
  • 入浴:長湯を避け、シャワー浴または短時間の入浴にしてください
  • 移動:長距離の運転や旅行は、万が一の場合に備えて避けてください

まとめ

2泊3日の入院は、万が一の合併症に備え、安全に回復いただくための重要な期間です。当院では、経験豊富な内視鏡専門医が安全を最優先した医療を提供します。 大腸ポリープを指摘された方、ご不安な点がある方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

✍️ この記事を書いた人

古畑 司 - 消化器病専門医・内視鏡専門医
古畑 司
(ふるはた つかさ)
保有資格
消化器病専門医 内視鏡専門医 総合内科専門医 肝臓専門医
消化器病専門医、内視鏡専門医に加え、総合内科専門医、肝臓専門医としての知見も活かし、患者さんの腹痛の原因を専門家として「的確に診断・治療」することに尽力しております。