吐き気・嘔吐について
その「吐き気・嘔吐」、
身体からのSOSかもしれません
原因は胃腸の不調から、脳や心臓の病気、ストレスまで多岐にわたります。
「たかが吐き気」と自己判断せず、隠れた重大な病気を見逃さないことが大切です。消化器内科の専門医が、症状の裏にある原因を突き止め、適切な治療へと導きます。
- 採血検査
- 画像検査
- 胃カメラ
- 大腸カメラ
- 点滴療法
- 入院設備
🚨 危険なサイン
以下の症状がある場合、重篤な病気の可能性があります。迷わず受診してください。
- 何度も嘔吐し、水分が一切摂れない
- 高熱があり辛い
- 激しい腹痛・胸痛・頭痛を伴う
- お腹がパンパンに張り、便もガスも出ない
- 吐血が見られる
- 嘔吐物から便の臭いがする
- 意識障害・麻痺・しびれ・ろれつが回らない
🤢 吐き気・嘔吐の原因
原因は多岐にわたります。
関連する体の部位ごとに分類して説明します。
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🍽️ 消化器(お腹)の病気
食べ物の通り道や、消化に関わる臓器に問題が起きると吐き気を催します。最も多い原因です。
⚠️ 腸閉塞(イレウス)
腸が塞がってしまう状態です。激しい腹痛やお腹の張り、便やガスが出なくなるなどの症状を伴います。緊急性の高い病気です。
🏥 膵炎・胆のう炎・肝炎
膵臓、胆のう、肝臓の炎症が原因で吐き気が生じます。背中や右上腹部の痛みを伴うことがあります。
💫 機能性ディスペプシア
検査では異常が見つからないのに、胃の動きが悪くなることで吐き気を催します。ストレスが関係していることも多いです。
🧠 脳・神経・耳の病気
脳や平衡感覚を司る器官の異常が原因で吐き気が起こることがあります。
😵 片頭痛
激しい頭痛の前兆として、または頭痛と同時に吐き気が起こります。光や音に敏感になることもあります。
🚨 脳卒中(脳出血・脳梗塞)・脳腫瘍
脳内の圧力が上がることで、突然の激しい嘔吐を引き起こすことがあります。意識障害や手足の麻痺を伴う場合は緊急受診が必要です。
🤒 髄膜炎
脳を覆う膜の感染症です。発熱、激しい頭痛、首の硬直(首を前に曲げにくい)を伴います。
🚗 乗り物酔い
車や船の揺れによって平衡感覚が乱れることが原因です。
😵💫 良性発作性頭位めまい症・メニエール病・前庭神経炎
内耳の病気で、激しいめまいと共に吐き気が起こります。頭を動かすとめまいが悪化することが特徴です。
🫀 全身性の病気・その他
特定の臓器だけでなく、体全体のバランスの乱れが原因となるケースです。
💔 心筋梗塞・心不全
心臓の病気でも、吐き気が症状として現れることがあります。特に高齢者や糖尿病の方に多く見られます。胸の痛みや息切れにも注意してください。
🩸 糖尿病(ケトアシドーシス)
血糖値が極端に高くなった場合に起こります。意識障害を伴う危険な状態です。
🫘 腎不全(尿毒症)
腎臓の機能が低下し、体内に毒素がたまることで吐き気を催します。むくみや尿の量の変化にも注意が必要です。
🦋 甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患
ホルモンバランスの乱れが原因です。動悸、体重減少、手の震えなどを伴うことがあります。
🤰 妊娠(つわり)
妊娠初期に多くの女性が経験します。通常、妊娠16週頃までに改善します。
😔 精神的な要因
強いストレス、不安、うつ病、拒食症・過食症などが原因となることがあります。
💊 薬や化学物質の影響
服用している薬の副作用や、アルコールが原因で吐き気が起こることがあります。
💉 薬の副作用
抗がん剤、抗生物質、痛み止め(特に非ステロイド性抗炎症薬)、麻薬性鎮痛薬、一部の降圧薬や抗不整脈薬など、多くの薬で副作用として吐き気が起こりえます。
🍺 アルコールの過剰摂取(二日酔い)
飲みすぎた翌日に起こる吐き気です。水分補給と休息が大切です。
診療の流れ
「たかが吐き気」と軽視されがちですが、その症状の裏には軽い胃腸炎から、見過ごすと危険な重篤な病気が隠れている可能性があります。自己判断で様子を見ているうちに重症化するのを防ぐためにも、医療機関では原因を正確に診断し、適切な治療につなげるために、下記のような詳しい検査を行います。
問診や触診などの診察から症状を把握します。
血液検査やCTスキャンで炎症の有無を確認し、症状の原因を確認します。
検査結果をもとに、重症度を判断します。
重症度に応じて、外来治療か入院治療かを判断します。
検査と診断
吐き気・嘔吐の原因を特定し、適切な治療につなげるために、症状に応じたさまざまな検査を行います。
👨⚕️ 問診・身体診察
医師が症状(いつから、どんな時に吐き気がするかなど)や既往歴、服用中の薬について詳しく質問します。また、お腹を触診して痛む場所や張り具合を確認し、体の状態を直接診察します。
🩸 血液検査
吐き気や嘔吐による脱水の程度や、体内で炎症が起きていないかを調べます。また、肝臓、膵臓、腎臓といった内臓の機能に異常がないかを確認し、全身の状態を評価します。
📷 レントゲン検査
腸閉塞(イレウス)のサインである腸管内のガスの溜まり具合などを確認するための基本的な検査です。
💓 心電図検査
胸の痛みなどを伴う吐き気の場合、心筋梗塞といった心臓の病気が隠れていないか確認するために行われます。
🔬 腹部超音波(エコー)・CT検査
超音波検査では、音波を使って胆石や胆のう炎、膵炎といった臓器の炎症を調べます。CT検査では、X線で体を輪切りにした詳細な画像を作成し、腸閉塞や消化管穿孔(穴が開くこと)など、より精密な診断を行います。脳の病気が疑われる場合は、頭部CT検査が行われます。
🔍 胃カメラ・大腸カメラ
内視鏡を使い、食道・胃・大腸の粘膜を直接観察します。逆流性食道炎や胃潰瘍、胃がん、大腸がんなど、粘膜の異常を発見するのに不可欠な検査です。
🧲 MRI検査
強力な磁石と電波を使い、体の内部を詳細に画像化する検査です。特に脳や胆管、膵管といった柔らかい組織の描出に優れています。そのため、CTでは発見が難しい初期の脳梗塞や小さな脳腫瘍、胆管の詰まりなどを調べる際に、より精密な診断のために行われます。
🏥 早めの受診を
吐き気や嘔吐は、様々な病気のサインです。胃腸炎など一時的な場合が多いですが、稀に重篤な疾患が潜んでいることもあります。
もし「危険なサイン」に当てはまったり、長引く症状でお困りの際は、当院にご相談ください。つらい症状を少しでも早く和らげるよう、私たちがサポートいたします。
❓ よくあるご質問
📋 感染・リスク・予防期間
手洗いの徹底が基本です。タオルや食器の共用は避けましょう。入浴は患者さんが最後にし、トイレの後は蓋をしてから流すようにしてください。
症状が治まっても、最低1週間〜1ヶ月程度は続けてください。
下痢や嘔吐が止まって元気になっても、ウイルスや細菌は体内に残り、便の中に排出され続けています。特にノロウイルスは、症状消失後も1週間〜1ヶ月程度、便中に排出されることが知られています。
家庭内: 症状消失後も最低1週間は、トイレ後の手洗い・消毒を徹底し、タオルの共用は避けましょう。
仕事: 食品を扱う方や医療・介護従事者は、職場の規定(検便で陰性確認など)に従ってください。
一般的なアルコール消毒薬はノロウイルスには効果が薄いです。石鹸による流水手洗いが最も有効です。環境消毒には次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使用します。
✍️ この記事を書いた人
(ふるはた つかさ)