便潜血検査で陽性になったら|大腸がん早期発見と大腸カメラの重要性を専門医が解説
便潜血検査について
大腸がん早期発見と大腸カメラの重要性を専門医が解説
便潜血検査は、便に混じった目に見えない微量の血液を検出し、大腸がんやポリープの兆候を早期に見つけるための検査です。
「陽性」と判定された場合、痔だから大丈夫と自己判断せず、必ず大腸カメラ(精密検査)を受けてください。
- 大腸カメラ
- 早期発見
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原因について
大腸カメラについて
大腸カメラは、腸の内部(粘膜)を直接カメラで観察し、潜血の原因を診断する最も重要な検査です。
🔬 便潜血検査と大腸カメラの比較
| 比較項目 | 便潜血検査 | 大腸カメラ |
|---|---|---|
| 📋 どんな検査? | 自宅で便を採取し、目に見えない血液が混じっていないかを調べます |
お尻から細いカメラを入れ、大腸の内部を直接すみずみまで観察します 詳しく見る |
| 📅 頻度の目安 | 年に1回 |
5年に1回 (異常がなければ) |
| ✅ 良いところ |
• 自宅でできる
• 体への負担がない • 費用が安い |
• 最も精度が高い
• ポリープを見つけたら、その場で切除できる |
| ⚠️ 注意するところ |
• ポリープや早期がんがあっても10%は陰性になることがある
• 「陽性」の場合は、必ず大腸カメラが必要 |
• 検査前に下剤を飲む必要がある
• ごくまれに合併症のリスクがある |
💡 早期発見が未来をつくる
便潜血陽性は、大腸を調べる大切な機会です。
症状がないから大丈夫、と先延ばしにせず、まずは当院の医師に相談することから始めてみませんか。
✍️ この記事を書いた人
(ふるはた つかさ)
「陽性(+)」と判定された方へ
「陽性」という結果は、「便に血液が混じっている」というサインです。陽性の場合、大腸がん、痔や大腸の炎症、良性のポリープなどが原因であることの方が多くあります。

大規模な研究データでは、陽性になった方のうち、
- 進行したポリープや大腸がん(進行性腫瘍)が見つかったのは16.0%(約6人に1人)
- 大腸がんが見つかったのは4.2%(約24人に1人)
でした。
つまり、陽性であっても多くはがんではありませんが、陰性だった人と比べて、大腸がんが見つかるリスクは約32倍も高いというデータもあり、放置はできません。
そのため、陽性の原因を特定するために、必ず精密検査として、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を受けることが重要です。 陽性反応を放置せず、医師の指示に従って次のステップに進みましょう。
「陰性(-)」と判定された方へ
「陰性」という結果は、「今回の検査では便から血液が検出されなかった」ということです。
これは大きな安心材料ですが、この検査も100%完璧ではありません。

便潜血が陰性だった方の中に、ポリープやがんが見逃される可能性は2.6%(約38人に1人)、がんに限れば0.13%(約770人に1人)と報告されています。リスクは非常に低いものの、ゼロではないことが分かります。
また、複数の研究報告をまとめた分析によると、1回の便潜血検査では、そこに存在する大腸がんの約20%(5人に1人程度)を見逃される可能性があると報告されています。これは、がんが常に出血しているわけではないことなどが主な原因です。
「陰性」であっても、「がんの心配が全くない」という証明にはなりません。将来のがん予防のためには、まず「陰性」であっても決して安心せず、ご家族に大腸がんの方がいるなど、特にリスクが高い方やご心配な方は、医師と相談の上で大腸内視鏡検査を検討することも一つの選択肢です。
便潜血検査の正しい受け方と食事などの注意点
- ご自宅で便の表面をこすって採取し、提出するだけです。
- 現在主流の検査方法(免疫法)は、ヒトの血液にのみ反応するため、肉や魚などの食事制限は特にありません。
- ただし、ビタミンCのサプリメントなどを大量に摂取している場合は、正しい結果が出ない可能性がありますので、事前に医師にご相談ください。