専門医が解説!お腹の張りについて
腹部膨満感
消化器専門医による原因の特定・適切な治療・がんの早期発見
「お腹が張って苦しい」「ガスがたまっている感じがする」…このような「お腹の張り」は、腹部膨満感と呼ばれる症状です。多くの方が経験する身近な症状ですが、中には注意が必要なケースもあります。
このページでは、消化器専門医が腹部膨満感のメカニズムから原因、ご自身でできる対策、そして専門的な治療法まで、分かりやすく解説します。
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- 内視鏡検査
- 薬物療法
- 生活指導
🦠 腹部膨満感とは?
「お腹が張って苦しい」「ガスが溜まっている気がする」といった自覚症状を腹部膨満感といいます。
多くは一過性のものや機能的な問題ですが、以下のような症状は、まれに深刻な病気が原因となっていることがあります。
⚠️ すぐに病院へ行くべきサイン
🤔 主な原因
お腹の張りには、日常的な食習慣から病気まで、さまざまな原因が考えられます。
🔍 まずは原因を精査
採血、レントゲン、内視鏡検査やCT検査で、お腹の張りを引き起こす以下のような原因がないか確認します。
検査で病気が見つからなかった場合、下記が原因として考えられます。
💨 空気の飲み込み
無意識に空気を飲み込むことや、早食い、ガム、炭酸飲料の摂取、喫煙といった習慣が、胃にガスが溜まる主な原因となります。
🫧 食事の影響
納豆などの豆類、パン、牛乳、玉ねぎ、イモ類、リンゴなどは、体質によっては腸内で発酵しすぎてガスの原因になることがあります。
🔄 腸の乱れ
便秘や運動不足で腸の動きが鈍るとガスが溜まります。また、腸内細菌の乱れもガスの発生や過敏さの原因になります。
🏥 診療の流れ
👨⚕️ 診察・問診
症状の経過、食事内容、ストレス等を詳しく伺い、空気嚥下の有無も確認します。
🔬 検査
触診・聴診に加え、血液検査、レントゲン、CT、内視鏡検査などを組み合わせ、原因を特定します。
📋 診断・治療
検査結果に基づき、原因に応じた食事・生活指導や、内服薬の処方を行います。
💊 お腹の張りの対策と治療
医師の診療のうえ、異常を認めなかった患者さんは、まずは生活習慣の見直しから始め、必要に応じてお薬を処方します。
🏃 生活・食事の工夫
-
「早食い」をやめる
よく噛んでゆっくり食べるだけで、飲み込む空気の量を減らせます。 -
食事の見直し
豆類(納豆など)、イモ類、玉ねぎ、乳製品、パンなどは、腸内で発酵しやすい糖質を含み、ガスが増える原因になります。「自分に合わないかも?」と思ったら、少し量を減らしてみましょう。 -
軽い運動とリラックス
ウォーキングなどは腸の動きを良くしてガスの排出を助けます。ストレスを溜めないことも大切です。
🌬️ 「腹式呼吸」のすすめ
食後の張りやゲップに効果的です。横隔膜を動かして、お腹の圧力を調整します。
-
1
お腹に手を当てる
片手をお腹、もう片手を胸に置きます。 -
2
鼻から吸う
お腹だけを膨らませるイメージで息を吸います。 -
3
口から吐く
お腹をへこませながらゆっくり息を吐きます。
💊 お薬による治療
症状に合わせて、医師がお薬を処方します。
💡 お腹の張りにお悩みなら
お腹の張りは多くの人が経験する症状ですが、生活の質(QOL)を大きく下げるつらい症状でもあります。そして、時には重大な病気のサインである可能性も否定できません。
「たかがお腹の張り」と我慢せず、症状が続く場合はお気軽に専門の医師にご相談ください。一緒に原因を探り、最適な解決策を見つけていきましょう。
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❓ よくあるご質問
📋 原因・リスクについて
ガスの総量は健康な人と変わらないことが研究で分かっています。つまり、膨満感の原因はガスの「量」そのものよりも、ガスに対する「腸の知覚過敏」や、ガスの流れが滞ることだと考えられています。
なお、腸内ガスの99%以上は、窒素・酸素・二酸化炭素・水素・メタンといった無臭の気体です。
健康な成人でも、1日に10〜20回程度のおならをすることは生理的な現象で、異常ではありません。回数そのものよりも、お腹の痛みや苦しさが伴うかどうかが重要です。
内視鏡やCTで形に異常がなくても、腸の「働き」や「感覚」に問題があるケース(機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群など)が多くあります。
「気のせい」ではなく、腸の神経が敏感になっている状態ですので、お薬で症状を和らげることが可能です。
🥗 食事・生活について
いいえ。ガスを増やしやすい食品の制限はずっと続けるものではありません。まずは数週間試し、その後少しずつ食品を戻して「何が自分に合わないか」を見つけることが目的です。
栄養バランスを崩さないよう、専門家の指導のもとで行うのが理想的です。
無意識に空気を飲み込んで、それを食道から出している「噛みしめ呑気(食道性曖気)」の可能性があります。これは胃の病気というより「癖」に近いものです。
「腹式呼吸」や、空気を飲み込まないように意識する行動療法が効果的です。
参考文献
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- Lacy BE, Pimentel M, Brenner DM, et al. ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome. Am J Gastroenterol 2021; 116:17.
- Lasser RB, Bond JH, Levitt MD. The role of intestinal gas in functional abdominal pain. N Engl J Med 1975; 293:524.
- Halmos EP, Power VA, Shepherd SJ, et al. A diet low in FODMAPs reduces symptoms of irritable bowel syndrome. Gastroenterology 2014; 146:67.
- Barba E, Burri E, Accarino A, et al. Abdominothoracic mechanisms of functional abdominal distension and correction by biofeedback. Gastroenterology 2015; 148:732.
✍️ この記事を書いた人
古畑 司(ふるはた つかさ)
保有資格